記憶と軌跡

カテゴリ:小説( 6 )

いつの日か 世界は 共に歩む   act:6   記憶

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:6   記憶


(ごめんなさい 伊織さん やっぱり 私一人じゃ 何にも出来なかった

「どうして 一人なんだ? どうして 俺を呼ばない?」

(私は 誰かに頼って 誰かに迷惑かけて ばっかりだから・・・

「頼るのは 悪いことじゃない 迷惑でもない 少なくとも 俺にとっては」

(『雪華』に言われた 最初から諦めてるって ショックだった・・・本当のことだから

「お前が 努力していることは みんな知っている だから 助けたいと思っている」

(イオリさん どこにいるの

「ここに。 いつでも 見てるよ」

・・・お願い 力を 貸して


コギー「いいヨ。 ちょっとダケね?」

返事は 予想外のところから 唐突に聞こえた

吹き飛ばされた時 コギーちゃんの足元に転がっていったのだろう

・・・でもコギーちゃん

どうして

笑っているの?

「・・・あなた・・・ アタシの邪魔をするの?」

『雪華』が 怒りに満ちた声で問う

コギー「不完全のまま奪ってモ アナタではどうにもできないカラ」

「知っているなら 邪魔しないで!!」

先ほどの 炎の塊が コギーちゃんを襲う

それは

コギーちゃんを包んだかと思ったら

急速に 霧散した・・・

「なっ!?」

コギー「オリジナルの力が 知れてるカラねw」

ニッコリと 笑わない瞳で 笑顔をつくる

コギー「雪ちゃん。 ダーク雪ちゃんを倒せるのハ 雪ちゃんダケだからね」

驚きで 呆然としていたのと

言われた言葉の 意味を掴みかねていると

コギー「足止め してアゲル 頑張ってw」

言うと同時に 『雪華』の足元に 円陣のようなものが 現れ

同時に 『雪華』が後ろに飛びのく・・・ことは できなかった

見えない何かに引っ張られたように ぐん、っと円陣の上に戻された

「っ! こんなもの!!」

剣を床に突き立てて 円陣を崩そうとする

ヴゥン・・・ と鈍い音がして 剣が弾き返され

四方から放たれた雷撃が 『雪華』を襲う・・・

雪華「コギーちゃん! 私大丈夫だから!」

コギー「無理ダヨ」

あっけらかんと断言されて 絶句する

コギー「雪ちゃん優しいカラ。 ね? 今のウチだよ」

差し伸べられた手を 思わず弾いて。

雪華「私は! 本当は戦いたいわけじゃない・・・!」

コギー「じゃあサ 伊織さんは どうナルの?」

思わず『雪華』を見る。

右手をだらんと垂らして こちらのやりとりを見ている

雪華「お願い イオリさんは どこ?」

「知らないって 言ってるじゃない・・・」

コギーちゃんを睨んだまま 魔道具を出現させ

しかし 魔道具は 何もせずに消えた。

コギーちゃんが 片手銃を構えていた。

『雪華』が 舌打ちする

コギー「雪ちゃん いいコト教えてアゲル ソノ『雪華』が 雪ちゃんの記憶を奪ったンだよ」

少し楽しそうに コギーちゃんが言う

雪華「え? 何の・・・記憶?」

先ほどの フラシュバックが 脳裏によみがえる・・・

コギー「記憶が なくなっテルことも 覚えてナイノ?」

やれやれ、といった調子で 首を振る

コギー「じゃあもうイイや やってみなヨ」

言うと同時に 円陣が消える

『雪華』は 武器もださず 動かない。

私も武器を置いて 少しずつ近づいていきながら 話かける。

雪華「私の 記憶・・・ ここではない どこかの記憶」

雪華「いつも私を 支えてくれた 誰か ・・・あなたには わかるの?」

「・・・わかるよ アタシの持ってる記憶が アタシのものじゃないことも 知ってる」

雪華「私の記憶を 奪ったの?」

「違う 気付いたら持ってた アタシのものだと 信じたかった ・・・ねぇ」

少し うつむいたその表情は 読み取れなかったけど。

「アタシは 誰なの?」

泣き出しそうな その声は

この世界にきたとき 最初に「聞いた」声に似ていて・・・

手を伸ばせば 触れることのできる位置まできた そのとき

『雪華』が 突然顔を上げて

私を 突き飛ばして

雪華「っ!」

尻餅をついて 驚いている 私の目の前で

スローモーションのように

どこからか 飛んできた槍が

『雪華』を 貫いた・・・

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-12-19 12:50 | 小説

いつの日か 世界は 共に歩む   act:4   迷走

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:4   迷走


「私も もう一人の自分に会った」

コギーちゃんは 無表情にそう言った

無表情なのに 悲しいような 怒っているような

そして

それだけを言うと

背中を向けて 少し離れて 振り向いて言った。

コギー「行こ?」

少し寂しそうにもみえる その微笑を見て

別れるべきだと 思っていたのに

さっきの らしくない言い方と

悲しいような 目とを思い出して

・・・結局 もう少し一緒にいることにした私は

彼女のほうへと 歩き出した。


さきほどの イースレイさんを探せ、というのは

グラールに『存在』していた人全員に届いていたらしい

誰が どうやって

誰にもわからないことが 私にわかるはずもなく

そして イースレイさんの情報を 何も持たない私と

それよりも 探し物を優先する、というコギーちゃん

2人は 昇空殿の広間に立っていた。

雪華「巫女さんがいる・・・ 占う?」

コギー「巫女服、モエモエだねw ゆきちゃんも持ってたら・・・」

雪華「うん、着ない。 探し物、探し人。 占ってください」

ちょっと冷たいかな、と自覚しつつ 巫女さんに向き合う

巫女さんは じっとこちらを見つめて・・・

・・・

・・・ ・・・

・・・ ・・・ ・・・

雪華「無理っぽいね?」

諦めかけた そのとき

巫女さんの口が動いて 男性の声が

「オ・モ・イ・ダ・セ」

同時に 耳鳴りが 私を襲う・・・

雪華「・・・っ!!」

耳を押さえて うずくまった

「モ・ド・ッ・テ・コ・イ」

声は 続ける

「オ・マ・エ・ノ イ・ル・ベ・キ・バ・シ・ョ・ヘ」


瞬間

フラッシュバックのように

景色が 脳裏にひらめく

桜の花びらが舞い

海の白波が押し寄せて

赤く染まった山々を飛び越えて

白い大地に転がった

それのすべてを 知っているのに

それは どこなのかが わからない

そして聞こえた ざわざわ、という 音・・・

「・・・はどこまで」
「今回・・・」
「どうして・・・」
「・・・見てごらん」
「・・・あげる」
「だからここで・・・」
「・・・ございます」
「こんにちは」
「あはは」
「もう・・・」

複数の人の声が重なって 何を言っているのかわからない

フラッシュバックは続く

炎を囲んで

プールで泳いで

花を愛でて

風にショールが舞った


誰かが 私の手をとって

うつむいていた顔を 前に向けた

「帰ろう」


まぶたを開けると

そこに

『雪華』がいた・・・

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-12-15 14:06 | 小説

いつの日か 世界は 共に歩む   act:3   通達

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:3   通達


「アウク? 聞こえる?」

アウク「もちろん ずっと聞こえてるよ」

「そっちはどう? 何かわかった?」

アウク「まだ何も・・・ 情報がなさすぎて ユイと頭を抱えてるところ」

「そっか・・・ こっちもまだかかりそうだから。 また連絡するね」

アウク「気をつけてよ? ソレもまだ『未知』なんだから」

「大丈夫。 うまくやるわ。 じゃあね」

通信を切り とある方向をみて ため息をつく。

「覚醒する前にアレを奪って アウクたちと合流したいところだけど」

青い髪のビースト女性が 木に向かって何度も鞭を振っている。

かなりの距離があるが 特殊技術が施された目なので 服の柄さえも見える。

「あれじゃ、ねぇ・・・ 不安だわ」

その目を閉じて 瞑想するように深く息を吸い

ため息のように吐いて その女性と

もうひとつ、彼女に近づいていく影を 見つめていた。


そしてこちらでも ため息ひとつ。

雪華「んもう・・・ なんで狙ったところに当たらないのっ」

鞭に向かって話しかける。

雪華「言うこと聞かないと 捨てちゃうよ?」

これでは、たとえもう一人の雪華を見つけたとしても 勝てる見込みなどない

雪華「テクもうまくいったのはあの時だけで なんか調子悪いし・・・」

左肩に浮いているキツネの形をした魔道具を見つめる。

雪華「このナノトランサーも 上手に出るときと出ないときが・・・」

槍、槍と思って手を伸ばす・・・ 現れたのは弓だ。

弓を引くにも、威力はビーストのままなのだが 命中や速度に関しては全くダメである。

肉体の性能に精神がついていってないという感じで

初めてガ○ダムに乗ったアム○もこうなのかな、と 見たこともないアニメをなんとなく思う。

雪華「・・・PSUでも足手まといだったのに これじゃ今まで以上だぁ」

ちょっと涙が零れそうになる

雪華「・・・イオリさん」

空を見上げて 思いを馳せる

いつも画面越しに見ていた伊織さんと

引き込まれた時のあの出来事で 驚愕の表情を浮かべた伊織さん

どうせこの世界にいるのなら みんなの笑った顔がみてみたい、と思う

字面だけではわからないことも きっと今話ができたら理解ができると思う

無意識に 左腕のリストバンドに 右手を重ねる・・・と。

コギー「雪ちゃぁぁぁん♪ 今戻ったよ~♪」

飛びつきそうな勢いで コギーちゃんが走ってきた

雪華「おかえりw コギーちゃんは忙しそうだなぁ・・・」

コギー「コギーの裏情報! 仕入れてきました~♪」

雪華「コギーちゃんの探し物? それとも・・・」

コギー「桜の名所!!w」

屈託のない笑顔で言う彼女。

伊織さんの情報はなかったらしい。 私に気を遣ってくれてる・・・

雪華「じゃあ行ってみよっか♪」

笑顔を返す。 ぎこちないかもしれないけど。

コギー「オッケィ♪ こっちこっち」

腕を組むのは彼女のクセなのだろうか?

左腕を取って 一緒に歩き出した。


そこは不思議な場所だった

たくさんの桜の木が 風もないのにさざめいて 

うすピンク色の花びらを あたりに舞わせていた

その中でも格別に大きな 1本の桜の下で

私は何かを・・・ 何かわからない何かを 思い出しかけて 目を閉じていた。

「こっち・・・で こうして・・・ ・・・いから」

木のざわめきで 声が聞こえにくい けど 『彼』だ

「しょうがな・・・ おれ・・・さま わ・・・した」

笑っているような声 でも 桜の花びらが邪魔をして 表情は見えない

あなたは 誰なの?

何て言っているの?

姿を 声を求めて 集中する

そこに

「キャ・・・のほう・・・・ もって・・・たとき げん・・・ ・・・になる・・・」

違う声が割り込む

同じく男性の声 だけど こちらは聞き覚えがないような気がする

「・・・つと ザ・・・違い・・・た きみ・・・・ザー・・・よう」

見下すような 笑いと ノイズのような 音が混じる

ノイズは 通信機から聞こえている 気がして

手を伸ばして 通信機をずらす と

「イースレイを探せ」

突如 はっきりと聞こえた声に

思わず 通信機を落としてしまった

「すべての鍵は 彼にある」

雪華「え? イースさん?」

私の声に コギーちゃんがはっとして こちらを振り返った

コギー「どうかした?」

雪華「どうかしたというか・・・ 今なにか聞こえなかった?」

コギー「ううん。 何モ。 それより考え事は終わった?」

雪華「今 イースさんに鍵がって声が」

コギー「雪ちゃん」

私の言葉を遮り じっとこちらを見る彼女

コギー「あなたガ今しなくテはいけないことハ もう一人ノ雪華から彼ヲ取り戻スコト」

無機質な瞳は キャスト特有だと思っていたけど

それだけじゃない 迫力、よりももっと

まるで

威圧されているような・・・

コギー「伊藤さんってば どこにいるのかな?」

黙った私を 小首を傾げて覗き込む

まるで 何もなかったかのように

さっきの 無機質な瞳とは どこか違う瞳で。

コギー「雪ちゃん?」

雪華「コギーちゃん・・・ 何か知ってるんじゃないの?」

声をしぼりだす。

コギー「ぇー? ん・・・じゃあひとつだけ」

眉を寄せて 声を潜めて 言う

コギー「実はね・・・」

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-12-02 11:25 | 小説

いつの日か 世界は 共に歩む   act:2   違和感

 ・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:2   違和感



遠くにそびえ 白く霞むオウトク山

カラフルな布は ひらひらと風に舞い

グラール教団総本部 昇空殿は荘厳な雰囲気を漂わせていた。

その前の広場 オウトクシティ 中央で

静かな湖面を・・・湖面に映った自分の顔を みつめていた。

コギーちゃんが「ちょっと本部よって来るね」と言い残し

走っていってしまってから すでに小一時間は経過したように思う。

蓮の咲いている湖面

爪先を少し水に浸して ぱしゃぱしゃと跳ね上げる。

自分の・・・『雪』の顔が ふにゃり、と歪む

雪華「・・・もうちょっと、美人にすればよかったかな?」

なんだか言ったことのあるセリフに クスリと笑みがこぼれる。

そういえば

海へ行ったときにも

こうしていたことが あったような・・・

靴を脱いで スカートが濡れないように 膝くらいまで、と思ったのに

まだ水が冷たくて 入ったとたんに飛び上がった私に

「まだ6月だから無理だよ」 そういって笑ったっけ・・・


でも 気持ちよさそうだったもん

最近日差しも強くなってきてるしさ

「まぁな 今日はいい天気だし」

でしょ?

「だが 風はまだ冷たい」

あなたが寒がりなのよw

「お前は暑がりだからなぁ」

海さ 入るのは無理でもほら 爪先気持ちいい♪

「また体冷やすぞ」

大丈夫だもんw

「よく言うよ こないだも風邪ひいて 熱出したくせに」

あれね、おっかしいなぁ・・・ なんでわかったの?

心配性なんだから 隠してたのにな。

「お前の様子が変なのを 俺が気付かないはずないだろう」

あらw じゃあず~っと面倒見てもらおうかなっ

「しょうがねぇなぁ・・・ ほら、海風は体によくないって」


苦笑は近くから聞こえ 肩にふわりとコートがかけられて

振り向くと 優しい目で私を見る 彼の顔が・・・

・・・あれ?

顔・・・?

どんな顔だったっけ・・・

いつも一緒にいてくれたのに どうして?

あれ?

彼って

彼の名前は 何だっけ・・・?

「・・・ちゃん」

待って もうちょっと考えさせて

「雪ちゃん!」

うるさいなぁ 雪って何よ? 私は・・・

私は?

「雪ちゃんってば!」


はっと、気付く。

コギーちゃんが私の肩に手をかけて 顔を覗き込んできている。

雪華「ん、あ、おかえり」

コギー「ぼーっとして、大丈夫? 心配なのはわかるけど、雪ちゃんが倒れないでね?」

雪華「え? いや今別のこと考えてて・・・ あれ? なんだっけな」

頭上にクエスチョンマークをいっぱい浮かべた私を見て コギーちゃんがため息をついた。

コギー「今ね、本部に問い合わせたんだけど あ、雪ちゃんも1回行ったほうがいいかも」

矢継ぎ早に言うが早いか、私の手をとって 本部のほうへ向かう。

されるがままに到着した本部は なんだか慌しい雰囲気だった。

カウンターに向かって怒鳴り散らしている キャストの男性

泣きながら誰かに何かを告げている ニューマンの女性

ふと

見知った姿が視界に入る

でも 目で追ったときには もうその姿はなく・・・

余所見をしていて いつの間にか離れてしまったコギーちゃんに追いついて聞く

雪華「ここにいる人たちって まさか・・・」

コギー「なんだかね やっぱり数人がゲームの中に入ってるみたい」

雪華「そっか・・・ どうしてだろうね?」

カウンターにつくと コギーちゃんが何かを告げて

キャストの女性が 値踏みするように私を見た、と思った。

「雪華サンですね。 これをドウゾ」

渡されたそれは 今つけている通信機と同じような形をしてはいるけど・・・

コギー「そっちのガ最新式なんダッテ。 つけてナよ」

素っ気無く言ったコギーちゃんに 違和感を感じながらも通信機をつけかえる

コギー『テス、テス。 こちらコギー 雪ちゃん聞こえる?』

雪華「うん、聞こえるよ」

コギー「通信機使わなきゃ 意味ないじゃないw」

雪華『あ、そうか。 良好です、どうぞ』

コギー「じゃ、いこっかw 桜の名所あるって~♪」

雪華「うん 本部の用事は終わったの?」

コギー「ん~ 連絡待ちって感じ。 あとね・・・仲間に、会えるカモよ?」

雪華「仲間?」

コギーちゃんは問いかけには答えず 2人はフライヤーベースから飛び立った・・・


【 グラール太陽系: ニューデイズ   山中  】

雪華「っきゃぁぁぁぁ!」

突如飛来した生き物に 驚いて悲鳴をあげ さらに敵の目をひいてしまう

ゲームの中では見慣れた敵でも 間近で見ると 異様さと恐ろしさで震えがくる

コギー「雪ちゃん!」

片手銃を構えて 狙いを定める カチリ、とした動きは

機械のような精密さを彷彿とさせ 敵は射抜かれて墜ちる

・・・こうしてはいられない!

ナノトランサーと呼ばれるそれに手を伸ばし

右手に鞭を 左手には魔道具を出現させる。

雪華「やぁっ!!」

突撃してくる コルトバと思しき動物に 力いっぱい鞭を振るう!

が。

虚しく空を切った鞭は 地面を抉っただけにすぎなかった。

コギー「ちょw 雪ちゃん不器用!!w モエ」

雪華「あぁぁぁ こういうとこはそのままなのね!!」

ダッシュで距離をとり 今度は魔道具を正面に構える

雪華「・・・燃やし尽せ! ギ・フォイエ!」

発動は うまくいった。

辺りが炎に埋め尽くされて 肉の焦げる 嫌な臭いが鼻をつく・・・

雪華「・・・う」

コギー「すごいね」

幸いなことに、臭いは一瞬で消えた

雪華「・・・鞭練習しよう・・・」

コギー「あははw でモ ちょット急ぐね」

そういうと おもむろに右手を上げる

コギー「・・・SUV転送・・・」

瞬間

赤い光が溢れて 敵の姿が宙に浮いて ブレたように見え

そして光が収まったときには 敵の姿はどこにもなかった

雪華「すごい・・・」

コギー「これがコギー剛掌波よっ!!」

雪華「イオリさん、死んじゃわないといいけど・・・」

コギー「さ、いこいこ~♪」

冷や汗をたらした私を 完全に無視して

鼻歌を歌いながら 私と腕を組む彼女。

その瞳が笑っていないことに

私は気付くはずもなかった・・・

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-11-29 18:29 | 小説

いつの日か 世界は 共に歩む   act:1   追憶

 ・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・        

act:1   追憶



雪が好きだから

雪華(ゆきか)って名前なの

雪華って ホントは『せっか』って読むのよ

雪の結晶をそう呼ぶんだって

キレイでしょ?

「でも 儚くとけて 消えてしまうね?」

そうね

でもきっと 毎年降るわ

毎年 空から 降りてくるのよ

「温暖化だからなぁw 来年も降るかな?w」

もう!

「それにしても寒いな? もう桜も咲いてるのに」

本当ね マフラー持ってくればよかった ・・・あ

「あ」

雪・・・ 舞ってるね

「結構しぶといなw 誰かさんみたいだ」

どういう意味よ!

でも キレイ・・・

「あぁ・・・ 桜のピンクと 雪の白が 見事だな」

誰かさんみたいにキレイ?w

「そうだな」


予想外の返事と一緒に

右肩にはかすかな重み そして

左腕にはあたたかくて硬い 彼の胸があって 

心臓が 飛び出してしまいそうになって

少しズキンと痛くて

痛くて・・・

痛い・・・

痛いのは

心臓じゃない・・・!



雪華「痛・・・ 私・・・?」

コギー「雪ちゃん! よかったぁ~」

雪華「コギーちゃ・・・ どうして」

PSUでは見知った姿の キャストの女性が目に入り

どうしてこんな視点で見ているのか

どうして私が『雪』と呼ばれるのか

そう。

どうして、はわからないけれど

ゲームの中に 引き込まれたらしい、ということを思い出す・・・

コギー「雪ちゃんピクリとも動かないんだもん! 寝てるなら襲っちゃおうと思って近・・・ぁ」

雪華「・・・・・」

考えが頭を巡っている間 しゃべり続ける彼女の 最後の言葉を聞きながして

その間に痛みが、ゆっくりと消えていた。

ただ お腹の辺りの服が少し裂けていたことと

床にうっすらと残る 赤い水溜りの跡のようなものが

さっきの痛みが現実であると、証明していた。

雪華「コギーちゃんが治してくれたの?」

コギー「えへへw ビックリしたよぉ? 血がドバーッてなってて、雪ちゃんのオナカに穴・・・」

雪華「あぅ あの・・・モウイイデス ありがとう」

コギー「なんか雪ちゃんが消えそう?になってたから とりあえずやってみた!」

振りかざした手には片手杖。

消えそうって?と問いかけるより先に

振り上げたついでとでもいうように 「えぃっ」とかけ声をかけ 輝く杖を振り下ろした。

あたたかい空気が、私を包んで

痛みは完全に消えた。

雪華「ぉぉ すごい・・・ ありがとう!」

そして なんとなく自分の手を眺めようとして

自分の手が 何かを握り締めたままなのに気がついた・・・

雪華「!!」

息を飲んで 周りを見回す。

コギー「雪ちゃん?」

雪華「イオリさん・・・ イオリさん、見なかった?!」

コギー「ぇー? 見てないけど・・・ ま、まさか!!

     雪ちゃんをこんな目に合わせたのは伊藤さん?! 今度オシオキ剛掌波を・・・」

途中から冗談っぽく言いながら ポーズを取ろうとする彼女の動きが

私の悲鳴で 止まった・・・



コギー「落ち着いた?」

雪華「うん・・・ ごめんね、ありがとう」

コロニーと思える建物の中

ベンチの一つにかけて、コギーちゃんの持ってきてくれたドリンクを口にする。

雪華「・・・おいしい」

コギー「だねーw あ、ペロリーメイトもあるよw」

ごそごそと小さなポシェットを探る彼女を見ながら

へー、と生返事をし・・・ 手の中の飲み物を見つめる・・・

雪華「あの、、、この飲み物は・・・?」

コギー「コルトb」

雪華「もういいです。」

なんとなく予想がついたところでとめる。

・・・まぁ おいしいからいいか。

もう一口ゴクリと飲む。

さっきと味が微妙に違うような気がしたけど きっと気のせい。

自分に言い聞かせる。

握りしめていたリストバンドは 左腕につけておくことにした。

それを見つめて 思わずため息をついた私に

コギー「伊藤さんも一緒に ゲーム内に引き込まれたのかな?」

私がゲームの中に入ってる、という話を コギーちゃんあっさりとは受け入れた。

彼女も違う場所で あの衝撃と光を感じたという・・・

雪華「うん、たぶん・・・ あの光が弾けた瞬間に」

コギー「う~ん。 他のみんなはどうなのかなぁ」

雪華「コギーちゃんは 引き込まれたとき 何かあった?」

コギー「ん~・・・ ううん、特には」

彼女らしくない 歯切れの悪い返事だな、と思いつつ 詳しくは聞かないことにした。

雪華「イオリさん 大丈夫かなぁ・・・」

コギー「変態さんたちはね、何があっても大丈夫。 今まで何回SUVで吹き飛ばしたかw」

それに、と いたずらっぽく笑って 彼女が続けた。

コギー「雪ちゃんとここでこうして暮らすのも モエw」

雪華「なっw コギーちゃんは、もう!w」

えへへ、と笑う彼女。

いつも場を明るく

そして前向きにしてくれるその笑顔を見ると

とても頼もしくって 救われていると感じる。

そうだ。

心配とか不安とか

考えてるだけじゃ きっと事態は変化しない。

雪華「コギーちゃん 今からのご予定は?」

コギー「雪ちゃんは?」

雪華「私は・・・ イオリさん探さなきゃ」

慣れない機械を駆使しても 通信は途切れたまま・・・

コギー「ダーク雪ちゃんから取り戻すのね♪」

雪華「ダークってw でも、そうね。 連れて行かれたとは限らないけど」

可能性は 高い。

コギー「案外どっかで『やー、困ったなー』とか笑いながらボケっとしてるカモネ」

雪華「それならそれで、ド突かなきゃ!w」

コギー「やっぱりオシオキ剛掌波だね♪ 私も行く!」

雪華「えっ ホント??」

コギー「雪ちゃん泣かせたバツを与えなきゃ♪ それに」

と、目をキラリと輝かせる。

コギー「私も、ちょっと探しものしてるんだ」

雪華「ふうん?? どこら辺にある、とかわかる?」

コギー「ぜんぜんw だからブラブラしてたら雪ちゃん見つけたんだぁ~」

雪華「そっか・・・ じゃあ、とりあえず」

ふと

先ほど見ていた夢を 思い出す・・・

あれは

どこで見た景色で

誰が一緒に いたんだっけ・・・?

雪華「・・・桜・・・」

コギー「桜? ニューデイズ?」

雪華「あ、いやいや。 うん、でも、結局どこに行っても同じかぁ」

コギー「じゃあニューデイズに行ってみよう♪ あの景色が目の当たりにできるなんて」

雪華「うんうんw 山も登ってみたいねw あ、寒かったりしないかな?」

コギー「雪ちゃんにひっつくから大丈夫!」

雪華「なるほどw 寒かったらあっちにもお店あるしねw」

立ち上がってポーズをとったコギーちゃんに続いて 私もぴょんとイスから降りた。

コギー「なんだかやる気出てきたぞー!」

雪華「負けるもんかぁ! 頑張るぞー!」

叫んで 顔を見合わせて笑う。

コギー「あははは ・・・あれ?」

コギーちゃんが 私の襟元に手を伸ばす。

コギー「これ どこからひっついてきたのかな?」

手には 一片の 桜の花びら

雪華「・・・不思議だねw うん、旅の道連れで持っていこう♪」

伊織さんのリストバンドに 丁寧に折り込んで。

誓う

必ず 見つけると

必ず また会えると

信じて・・・

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-11-01 11:55 | 小説

いつの日か 世界は 共に歩む   プロローグ: 乱入者

 ・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・


私たちは  まだ  何も  解っていなかったんだ・・・

時の部屋とその成り立ち・・・・


プロローグ: 乱入者

【  地球:  日本  M県  某日夕方  】

『今日も疲れたなぁ・・・』
独り言をつぶやきながら、年季の入った愛車のハンドルを握る。
朝起きて仕事して、帰ってお風呂に入り、ご飯を食べる。
毎日が同じように過ぎていく。
少しだけ、抑圧された生活。
ストレス発散と称して、休みの日に友達とオイシイものを食べる・・・
そんな私の日々に、去年の秋頃から増えた日課がある。

自分でもおかしいと思うくらい、毎晩の楽しみになっていたそれは
ゲームを楽しむというより、ゲーム内の人たちとのおしゃべりにハマっていた。
時には現実を忘れるほどのめり込み
時には睡眠時間を削るほど・・・

その日もいつもと同じようにPS2の電源を入れた。
ネットワークモードで繋いで、すぐにパトカと呼ばれる友達リストをチェックする。
『今日は誰がいるかな~♪ お、伊織さん発見!』
やっぱり独り言をつぶやきながら、ゲーム内でメールを届けた。

それは いつも通りの行動で
いつも通り 適当な時間に終わるハズだったのに・・・


【   グラール  太陽系    全世界   】

そこで繰り広げられる   SEEDとの戦い   そして内部での互いの争い

紛争、  人種差別、   最新テクノロジーの 進歩   フォトンの反映。

そこは  入り混じる世界。 混沌としたそうまるで・・・・

なんの変わりもない・・・・  リアルでの世界と

グラール の世界は   なんの  変わりはなかったのだから・・・・


【   グラール  太陽系   コロニー内   】

雪華「イオリさん・・・ホントにここであってるの?」

伊織 順平「シラネ」

雪華「ちょっと!w 今日友達がイベントやるから来いって言うから来てみたのに!w」

伊織「まぁそのうち来るよ、タブンナ」

雪華「ソデスカ」

伊織「すぐカオスになるさ。 ヘンな奴らばっかだからw」

雪華「ヘンな人には集まるものね?w」

伊織「(゜д゜)?」

いつも通りの会話をしながら、私たちは待っていた。

結果を言えば 待ち合わせた人たちに会うことはできなかった・・・



それは突然起こった。

突然の暗転。

思わず声がでる。

雪華「ほぇ? コロニー内のはずなのに・・・・  」

上をみると 内部の天井に グラール太陽系が 映し出されている。

伊織「ふむ・・・・惑星が綺麗に映ってんな・・・」

上を淡々と見つめる。

深い闇の奥に潜む惑星の周りが

わずかに  ブレ始めていた・・・


雪華「・・・これじゃ動けないね?」

伊織「ゆきはただでさえ方向音痴だからなぁ」

雪華「・・・。 否定できないぃぃ~!」

伊織「(゜∀゜)ニヤリ  ・・・お?」

突然歩き出す背中が、闇に覆われそうになる。

雪華「ちょっ、おいていかないでー!w」

伊織「待った。 静かに」

雪華「?」

大きな背中を見失わないように、ついていく。

漠然とした不安はあるものの ここで一人になったらどうしていいのかわからない。

不安からくるものか、なんだか少し肌寒かった。

しばらくすると イオリさんが動き出した理由がわかった。

声が聞こえた。

女性の すすり泣きのような声が。

声に 近づいていく。

すると なんだか グニャリ としたものを 踏んだような感覚・・・

驚きに 声をあげるヒマもなく

そして 光が

大空に 無数の光が収縮すると

大きな光の塊となっていく

そして

光が 弾けた 瞬間

世界は      全てを     飲み込んだ


伊織「なっ!?」

雪華「まぶし・・・」

光に焼かれた目をゆっくりと開く。

こちらに背を向けた格好で 女性が 意外と近くにいた。

すすり泣きの声はとまっている。

青い髪をした女性は、耳に特徴があった。

ビーストだ・・・きっと背は小さいほうだろう。

なんだろう

懐かしいような

でもすごく・・・

言いようの無い不安に襲われながら

なんだかわからないまま、私は近づいて声をかけた。

雪華「どうしたの?」

突然 伊織さんが声をあげる。

伊織「ここは・・・どこだ?!」

雪華「え?」

振り向いた瞬間

お腹の辺りに痛みが

そう、刺すような痛みが、確かにあった。

伊織「雪!!」

驚愕の表情を見せる伊織さんに 再度疑問がよぎる

・・・表情?

・・・痛み?

ゲームなのに・・・どうして?

何かが顔にあたる。

『何か』はあたたかくなっていて 濡れているような気がして

『何か』が地面だと気づいたときには

哄笑が聞こえた

「相変わらず 単純だね」

なんとか顔を向ける

・・・『雪華』だ。

そう、思った。

私がいつも動かしているキャラクター『雪華』

それが今 目の前で ケラケラと笑い声をたてている。

どうして?

何がなんだかわからない。

声は続ける。

「アンタさ 現実キライなんでしょ? アタシがもらっちゃってもいい?」

雪華「何・・・ですって・・・?」

「そのまま寝てなよw アンタがしたくて出来ないこと 全部やってあげるからさ」

雪華「何を 言ってるの・・・? これは何? あなた・・・誰?」

目の前が赤く染まっていく。

伊織「うぉぉぉっっ!!!」

雄叫びが聞こえて 伊織さんが『雪華』に向かって 斧を振りかざすのが見える・・・

いつもと違って 見てるだけで威圧感や重量、質感がある。

確かにそこにいる、と感じられる伊織さん

そして

自分の感覚と相成って気付く。

これは・・・ゲンジツ・・・?

いつから・・・?

どうして・・・?

ぐるぐると同じ問いを繰り返す。

本当は一瞬の間だったろう

伊織さんが振り下ろした斧 そのはるか上空に浮いた 『雪華』が 嗤う

「アハハハハ 伊織カッコイイねぇ 今度からアタシも守ってよw

 そこに転がってるのより よっぽどマシだと思うよ?」

伊織「うるせぇ・・・ 黙れ・・・」

苦しそうな声が 『雪華』に応える

このまま気を失っちゃダメだと

わかっているけど どうしても力が入らない・・・

ゴトン

斧を落としたような音がする

伊織さん・・・

動けない

いつの間にか閉じたまぶたを 開けることさえ出来ない

私このまま

死んでしまうの・・・?

「ツマンナイの もうちょっと楽しめるかと思ったのに

 やっぱりアンタって 一人じゃなにもできないんだね。

 でもキモチわかるよ?

 期待されて出来ないよりも 最初から出来ないって思われておけば 楽だもんね?

 だから自分でも言うし すぐ誰かに頼るんでショ?」

違う・・・

反論したいのに 声が出ない

「マァいいや。 アタシも自由になれたんだしw

 そうそう アタシを創ってくれたこと そこだけはカンシャw」

何かが 目の前に ポトリ と落とされて

『雪華』の気配が 突然 消えた。

雪華「待って・・・」

自分でも 聞き取れるか 取れないか

その程度の 声が出て

うっすらと 目を開くと

伊織さんのつけていた リストバンドが 目の前に

懸命に 手を 伸ばして

それを 掴んで・・・

そこで

私の意識は

闇に 飲み込まれてしまった・・・


【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-10-26 16:40 | 小説


小説用です
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