記憶と軌跡

いつの日か 世界は 共に歩む   act:9   誓い

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:9   誓い


視界が一変した。

高い場所から みんなを見下ろしている。

そして景色が ノイズのようにブレて

一瞬の後に

『コギー』の持っていた 光の欠片が

あたたかな温度を持って

私の右手に 握られていた。

『なっ・・・?!』

伊織さんと 『コギー』が

信じられないといった表情をみせているのに対して

コギー「雪ちゃん どうやったの?

観察でもするように

何でも見透かしそうな目で コギーちゃんが見つめる・・・

誰かが 勝手に答える。

『別に? 願っただけよ?』

コギー「あなたは・・・ 雪ちゃんじゃないわね? 雪華」

私が 私じゃない?

『・・・アンタこそ 一体何?』

コギー「そうね。 話してあげる。 その前に・・・」

振り向きざま 『コギー』に向かって右手を伸ばす。

足元に 円陣が現れる・・・ 『雪華』が捕まったのと同じものにみえた。

「しまっ・・・!!」

『コギー』が慌てたときには すでに手遅れだった

ゆっくりとコギーちゃんが近づく。

「イヤよ・・・ こないで! 私ハ」

コギー「欠片がなければ あなたは私には勝てない。 わかってるでしょ?」

「私ハ・・・ イヤ・・・ 消えたくナイ・・・」

コギー「さよなら 『コギー』」

コギーちゃんが 円陣の支柱の1本に 手を触れた瞬間

2人の輪郭がぶれて

一瞬こちらをみた『コギー』は

泣いているようだった・・・

そしてすぐに 輪郭が戻る

コギーちゃんは 一人になった。

コギー「ふう・・・ まったく 面倒なんだから」

伊織「一体 どうなってるんだ?」

まだ呆然としたままつぶやく。

コギー「そういえば 伊藤さんにも聞くことがあるね」

伊織「あれは・・・ 雪なのか?」

こちらを怪訝そうに見る・・・

コギー「あれは 雪ちゃんだけど 雪ちゃんじゃないよ」

伊織「どういう意味だ?」

『アタシは 消えなかった』

また 声が響いた。

さっき 頭の中で聞こえた『雪華』の声

私はさっきと逆に 『雪華』に取り込まれてしまったの?

コギー「『雪華』が雪ちゃんの中に残ったと聞いて もしかしてと思ったの」

伊織「ナノブラスト、したんだな・・・」

コギー「そう。 リアルから引き込まれた人には 簡単にできるもんじゃない」

『アタシだから できたんだけどね』

雪華「入れ替わった、ってこと?」

返事は 静かに響いた『雪華』の声だけ

 『できるかどうかは 賭けだったけどね』

コギーちゃんやイオリさんには 私の声が聞こえていないようだ。

コギー「そうなる前に 欠片を渡して欲しかったんだけどね」

伊織「欠片、か・・・ どうしてそれがいる?」

コギー「イーさんが それを持ってる人を無差別に襲ってるの。 雪ちゃんが危ないでしょ?」

『この欠片に力がある、と言ったのは アンタだっけね?』

コギー「そうね」

欠片をもう一度見ようとしたけど 私の視界は 動かない。

『ナノブラストのことといい・・・ 何を知ってるの?』

コギー「私はね ちょっとだけ、雪ちゃんより長くココにいる。 それだけよ?」

『タイミング良すぎンのよね。 それに、いつからコギーは偽者だった?』

コギー「オウトクシティで。 ある機関にあなたのことを報告してたら 別件で忙しくなったの

     まさか、偽者に連れて行かれるとは 思ってなかったけどね」

『それから監視してた?』

コギー「・・・そうね。 いつイースレイが現れるかもわからなかったし」

『で、うまくいけば 欠片も手に入ると』

コギー「・・・大人しく渡してはくれなさそうね?」

『アタシたちが持っていたら 問題でも?』

コギー「欠片の持ち主は すでに何人か殺されて奪われたわ」

『あんたたちの機関がそれを集めたとして そこ狙われたらヤバいんじゃない?』

コギー「ガーディアンズの中でも 優秀で才能ある者を内密に集めた機関よ。

     悪いけど、あなたや雪ちゃんが持っているより 安全よ」

『・・・試してみる?』

背筋に 逆立つような感覚を覚えて

体が勝手に 身震いする・・・!

雪華「ちょっと 待って!

見えない自分の腕を 思わず精一杯突き出す。

そして また 世界が揺れた。

体が熱くなって 軋むような音が聞こえた気がして

私は 私に 戻った。

伊織「雪!」

激痛でうずくまった私を 伊織さんが抱きしめるように 支えてくれる。

雪華「コギーちゃん・・・」

コギー「ナノブラストは 肉体に極度の負担をかけるの。 ・・・あんまり無理しないでね」

雪華「この欠片に どんな力があるとか、そんなの関係ないよ」

伊織さんの手を借りて 立ち上がり、見つめる。

雪華「私が現実から持ち込んだなら 私が持つ意味があるはず・・・」

コギー「・・・本当は ちゃんと解っていないのは確かだよ」

瞳が 迷うように揺れる

コギー「でも、イーさんが狙ってるのも、確かなこと・・・それでも?」

雪華「それでも。 私は弱いけれど 守ってみせる」

決意を込めて 断言する。

どこからか力が 溢れてくるような気がする。

誰かの声が 聞こえる。

『きっと出来ると 信じていなさい』

【to be continued】
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by sakurayukika | 2008-05-05 13:39
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小説用です
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