記憶と軌跡

いつの日か 世界は 共に歩む   act:5   対決

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:5   対決


雪華「・・・雪華」

「捜してたんでしょう? 来てあげたわ」

クスクスと 笑う『雪華』を 睨みつける

雪華「イオリさんを 返して」

「知らない」

雪華「ふざけないで!」

「ふざけてないわよ? だって 知らないんだもの。

 ね、それよりさ ちょっと渡してほしいものがあるんだ」

不気味な静けさ

ピンと張り詰めた空気

嫌な汗が 頬をつたう。

知らず知らずのうちに リストバンドに手を重ねていた。

視線だけで 周りを窺う。

と、気づく。

・・・コギーちゃんが いない?

いや

『雪華』の左手

昇空殿からみえる 最高の景色を背負って こちらを見ている

表情は 逆光で見えない

「さてと 覚悟してもらおうかな」

近づいてくる気配に 注意を戻して。

雪華「何がほしいの?」

言ってから 気付く。

彼女は 私になりかわろうとしている。

同じ存在は 2つも 要らない・・・

一呼吸で 間合いを詰めてきた『雪華』の手には 紅いセイバー

「アンタが持ってる 全部よ!」

バチィッと するどい音をたてて

私が出した 蒼いレイピアとぶつかる

セイバーが 思ったとおりに出たことに 内心安堵しながら

雪華「あげれない。 すべてが 大事なものだもの!」

振り下ろされた 燃えるような『雪華』のセイバーを 1歩引いてかわす。

「覚えてもいないクセに!」

そのまま突いてきた剣を 危うく柄で受け流して

雪華「!! どうしてそれを?」

流した勢いのまま 半歩離れた

「・・・不完全、だもの。 ソレ」

視線で 私の腕を示す

雪華「・・・え?」

「まぁ、奪ってから じっくり考えることにするわ」

『雪華』が 左手にも セイバーを出した。

私は 一瞬迷って 首筋に手を伸ばす・・・

長大な細身の剣が 姿を現した。

「慣れないこと するもんじゃないわね!」

そう、本当は 魔道具を出そうと 思ったのに

「そんなんで アタシの動きに ついてこれるっての?」

斬りかかりながら 『雪華』が呆れたように 笑う

大剣を両手で構えて なんとか左右に捌きながら

雪華「・・・これでも! 剣道の段位、持ってんだから!!」

だんっ、と 1歩踏み込んで 薙ぎ払う

そして

自分の言葉に はっとする

剣道?

大きく距離をとった『雪華』が ニヤリとした

「ふうん? じゃあアタシを倒してみなよ!!」

顔の前で 両剣を十字に構えて 突進してくる!

・・・そうだ

確かに 私は この武器を 知ってる

後ろに半歩下がってから 右前に向かって体ごとかわす

着地した『雪華』が 振り返って 舌打ちする

「今までだったら アタフタして喰らってたのにね?」

雪華「負けないから!」

震える手を なんとか鎮めようとする。

そこへ 体勢を低く構えた『雪華』が

そのまま一足飛びに こちらへ飛んできたところを 今度は左によける

「避けてばっかじゃ アタシには勝てないよ?」

絶対に 私はこういう笑い方はしない、と誓うような

ねっとりとした笑みを浮かべて。

大振りしてきた 左の剣を弾いて避け

右の剣を やりすごして

雪華「・・・ゲームと違って いろいろできるんだから!」

がら空きのわき腹に 避けた勢いのまま 回し蹴りを入れる

当たった感触は 思ったより鈍くて重かった。

一瞬だけ 顔をしかめて

「いい加減 諦めなさい!」

ふわりと熱気が 『雪華』を覆う。

剣の炎が 渦を巻いて 球体になったそれを こちらに向かって投げた

雪華「!!」

思ったよりも 早いスピードで飛んできたそれを

・・・避けきれない!!

首だけで頭を逃がす

耳が熱い

そう思った瞬間

触れただけの球体に 体ごと吹き飛ばされた・・・

【to be continued】
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by sakurayukika | 2007-12-16 14:17
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小説用です
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