記憶と軌跡

いつの日か 世界は 共に歩む   act:3   通達

・ いつの日か 世界は 共に歩む    ゆき編 ・

act:3   通達


「アウク? 聞こえる?」

アウク「もちろん ずっと聞こえてるよ」

「そっちはどう? 何かわかった?」

アウク「まだ何も・・・ 情報がなさすぎて ユイと頭を抱えてるところ」

「そっか・・・ こっちもまだかかりそうだから。 また連絡するね」

アウク「気をつけてよ? ソレもまだ『未知』なんだから」

「大丈夫。 うまくやるわ。 じゃあね」

通信を切り とある方向をみて ため息をつく。

「覚醒する前にアレを奪って アウクたちと合流したいところだけど」

青い髪のビースト女性が 木に向かって何度も鞭を振っている。

かなりの距離があるが 特殊技術が施された目なので 服の柄さえも見える。

「あれじゃ、ねぇ・・・ 不安だわ」

その目を閉じて 瞑想するように深く息を吸い

ため息のように吐いて その女性と

もうひとつ、彼女に近づいていく影を 見つめていた。


そしてこちらでも ため息ひとつ。

雪華「んもう・・・ なんで狙ったところに当たらないのっ」

鞭に向かって話しかける。

雪華「言うこと聞かないと 捨てちゃうよ?」

これでは、たとえもう一人の雪華を見つけたとしても 勝てる見込みなどない

雪華「テクもうまくいったのはあの時だけで なんか調子悪いし・・・」

左肩に浮いているキツネの形をした魔道具を見つめる。

雪華「このナノトランサーも 上手に出るときと出ないときが・・・」

槍、槍と思って手を伸ばす・・・ 現れたのは弓だ。

弓を引くにも、威力はビーストのままなのだが 命中や速度に関しては全くダメである。

肉体の性能に精神がついていってないという感じで

初めてガ○ダムに乗ったアム○もこうなのかな、と 見たこともないアニメをなんとなく思う。

雪華「・・・PSUでも足手まといだったのに これじゃ今まで以上だぁ」

ちょっと涙が零れそうになる

雪華「・・・イオリさん」

空を見上げて 思いを馳せる

いつも画面越しに見ていた伊織さんと

引き込まれた時のあの出来事で 驚愕の表情を浮かべた伊織さん

どうせこの世界にいるのなら みんなの笑った顔がみてみたい、と思う

字面だけではわからないことも きっと今話ができたら理解ができると思う

無意識に 左腕のリストバンドに 右手を重ねる・・・と。

コギー「雪ちゃぁぁぁん♪ 今戻ったよ~♪」

飛びつきそうな勢いで コギーちゃんが走ってきた

雪華「おかえりw コギーちゃんは忙しそうだなぁ・・・」

コギー「コギーの裏情報! 仕入れてきました~♪」

雪華「コギーちゃんの探し物? それとも・・・」

コギー「桜の名所!!w」

屈託のない笑顔で言う彼女。

伊織さんの情報はなかったらしい。 私に気を遣ってくれてる・・・

雪華「じゃあ行ってみよっか♪」

笑顔を返す。 ぎこちないかもしれないけど。

コギー「オッケィ♪ こっちこっち」

腕を組むのは彼女のクセなのだろうか?

左腕を取って 一緒に歩き出した。


そこは不思議な場所だった

たくさんの桜の木が 風もないのにさざめいて 

うすピンク色の花びらを あたりに舞わせていた

その中でも格別に大きな 1本の桜の下で

私は何かを・・・ 何かわからない何かを 思い出しかけて 目を閉じていた。

「こっち・・・で こうして・・・ ・・・いから」

木のざわめきで 声が聞こえにくい けど 『彼』だ

「しょうがな・・・ おれ・・・さま わ・・・した」

笑っているような声 でも 桜の花びらが邪魔をして 表情は見えない

あなたは 誰なの?

何て言っているの?

姿を 声を求めて 集中する

そこに

「キャ・・・のほう・・・・ もって・・・たとき げん・・・ ・・・になる・・・」

違う声が割り込む

同じく男性の声 だけど こちらは聞き覚えがないような気がする

「・・・つと ザ・・・違い・・・た きみ・・・・ザー・・・よう」

見下すような 笑いと ノイズのような 音が混じる

ノイズは 通信機から聞こえている 気がして

手を伸ばして 通信機をずらす と

「イースレイを探せ」

突如 はっきりと聞こえた声に

思わず 通信機を落としてしまった

「すべての鍵は 彼にある」

雪華「え? イースさん?」

私の声に コギーちゃんがはっとして こちらを振り返った

コギー「どうかした?」

雪華「どうかしたというか・・・ 今なにか聞こえなかった?」

コギー「ううん。 何モ。 それより考え事は終わった?」

雪華「今 イースさんに鍵がって声が」

コギー「雪ちゃん」

私の言葉を遮り じっとこちらを見る彼女

コギー「あなたガ今しなくテはいけないことハ もう一人ノ雪華から彼ヲ取り戻スコト」

無機質な瞳は キャスト特有だと思っていたけど

それだけじゃない 迫力、よりももっと

まるで

威圧されているような・・・

コギー「伊藤さんってば どこにいるのかな?」

黙った私を 小首を傾げて覗き込む

まるで 何もなかったかのように

さっきの 無機質な瞳とは どこか違う瞳で。

コギー「雪ちゃん?」

雪華「コギーちゃん・・・ 何か知ってるんじゃないの?」

声をしぼりだす。

コギー「ぇー? ん・・・じゃあひとつだけ」

眉を寄せて 声を潜めて 言う

コギー「実はね・・・」

【to be continued】
[PR]
by sakurayukika | 2007-12-02 11:25 | 小説
<< いつの日か 世界は 共に歩む ... いつの日か 世界は 共に歩む ... >>


小説用です
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31